成長する動画広告市場の市場規模と成長背景についてのまとめ

サイバーエージェントとデジタルインファクトが2016年11月09日に発表した市場調査では、2016年の動画広告市場は842億円と言われており、2022年には2,918億円と約3,000億円の市場に成長することが予測されています。

今回は、成長する動画広告市場とその動画広告市場の市場成長背景について紹介していきます。

動画広告市場の市場成長予測の推移

動画広告市場規模

2016年の動画広告市場は、昨対比で157%成長をしていることがわかります。そして今年(2017年)の動画広告市場に関しては、1,178億円の市場になることが予測されており、昨対比で約140%の成長が予測されています。

市場の大きさがどれぐらい大きな市場かというのは、SEO(Search Engine Optimization:検索)市場と比較すると分かりやすいです。2018年にSEO市場は500億円の市場になると予測されているのに対し、2018年の動画広告市場は、1,530億円の市場になることが予測されています。動画広告市場は、検索の約3倍の市場という大きさです。

PC・タブレッド・スマホでGoogleをはじめとする検索エンジンで、毎日情報検索が行われている市場の約3倍の市場です。サイバーエージェントとデジタルインファクトが調査した動画広告市場の成長推移予測が大きく外れることはないはずですので、今後のデジタル市場・Web市場では、企業のプロモーション施策として必要不可欠な施策であり、ユーザーに求められる施策であることは間違いないことでしょう。

動画広告市場の市場成長背景

動画広告市場の市場成長に関しては、スマートフォンとソーシャルメディアの市場成長が大きな要因となっています。mixiが全盛期だった2010年頃、スマートフォンデバイスが市場に出回り、スマートフォンの普及に合わせてFacebookやTwitterなどのソーシャルメディアが台頭してきました。

この頃はまだ、スマートフォン端末のインターネットインフラがまだ完璧なモノではなく、スマートフォンでPCサイトが見れるようになったぐらいのレベルではありましたが、スマートフォンの急速な普及に合わせて、インターネットインフラも整備されました。

インターネットインフラの成長に合わせて、ソーシャルメディアの市場も急速に成長し、ユーザーのインターネット接触機会に大きな変化が表れるようになったのです。それまでは、インターネットで検索を行うのが主なユーザーの行動でありましたが、検索以外の行動が行われるようになり、それまで検索ユーザーをターゲットにしたSEO対策やリスティング広告などのSEM施策がメインであった企業のWebプロモーションにも変化が表れるようになりました。

SEMだけの対策をしていれば集客を網羅できる時代ではなくなったのです。

このようなデジタル・Webの市場変化が重なり、チャネルを横断できる動画広告が、市場の伸ばしているのです。

動画広告の広告タイプ別の市場推移

まず、動画広告は主に下記の3タイプに分かれます。

動画広告のタイプ

  • インバナー広告

従来のバナー枠に配信されるタイプの動画広告(インディスプレイ広告とも呼美ます)。 基本的に音声はデフォルトでOFFとなっており、 多くの場合、DSPなどでプログラマティックに配信されます。

  • インフィード広告

インフィード広告とは、Webサイトやアプリ(画面の上から下に読み進めていくデザイン)のコンテンツとコンテンツの間に表示される体裁の広告のことを指します。 FacebookやTwitterなどのSNSや、キュレーションメディア、ニュースアプリなどでよく利用されています。

  • インストリーム広告

インストリーム広告とは、YouTubeなどの動画サイトで配信される従来のバナー広告よりも大画面で表示できるタイプの広告を指します。 音声がデフォルトでONとなっています。

動画広告のタイプ別市場について

2016年は、インストリーム広告が市場全体の52%を占める439億円に成長し、インフィード広告とインバナー広告を合計したアウトストリーム広告と呼ばれる広告商品の需要が急増しました。

とくに、スマートフォンでのユーザー体験を損なわない広告フォーマットの普及に沿い、インフィード広告の需要が著しく急増しており、2016年は197億円、前年比約2.5倍の成長と言われています。2022年には5倍超成長の1,018億円に達すると予測されています。

まとめ

動画広告市場の成長性は著しく、インターネットが普及した頃にホームページが必要不可欠になったのと同じぐらいに企業のブランディングや集客の観点で重要な施策へとなってきています。

様々なチャネルで活用することが可能であり、動画の活用方法も採用や企業ブランディング、CM広告など多様化しています。現在の施策が手詰まりになっていたり、Web広告施策の費用対効果が悪くなっていたりするのであれば、動画広告を検討してみてはいかがでしょうか。

某IT企業に勤める一介のマーケッター。デジタル領域のマーケティングを中心に15年で300社以上のデジタルマーケティング支援に従事。2児の父。趣味はサウナとギター。