2014年から話題になっているマーケティングオートメーションツールですが、マーケティングオートメーションツールがBtoB向け、BtoC向けに分かれていることをご存知でしたでしょうか。
多くの方がマーケティングオートメーションツールと言えば、BtoB向けを想像されると思いますが、最近では、BtoC向けに注目が集まっています。
そんな、「BtoC向けのマーケティングオートメーションツール」について、今回は解説していきます。
目次
BtoCとBtoBの違い
BtoC向けのマーケティングオートメーションツールをご紹介する前に、BtoCとBtoBの違いを理解しておく必要があります。
違いがわからず、高額なお金をかけてツールを導入しても、「なにか想像していたものと違う」と導入前後でギャップが生まれてしまいます。
BtoCの特性をまずは理解していくところから、はじめるのが良いかもしれません。
購入者
BtoCは購入者が検討し、購入するか否か判断するため、決裁者と購入者が同じになることが最大の特徴です。
BtoBは決済者は別にいて、購入希望者が決裁者に上申して、判断を仰ぐことがほとんどです。
つまり、BtoCは、本人の性格、興味、関心に購買行動が大きく左右されるといえます。
ターゲットユーザー
BtoBの場合、企業間取引のため、自社製品やサービスの対象となる企業は限られます。
しかし、BtoCは一般消費者が対象であり、企業と比べてターゲットとなるユーザー(顧客数)が圧倒的に異なります。
一企業も人が集まって成り立っているため、ターゲットユーザー数が大きく差があることは一目瞭然です。
検討から決済までの期間
BtoBは検討から決済の判断まで、複数の人が関わることがほとんどです。
そのため、検討から判断までに要する時間が少なくとも2週間~1ヶ月は必要とする場合が多いのではないのでしょうか。
比較して、BtoCは検討から決済まで本人で完結することが多いため、長くても1週間、早ければその場で決済を判断することも少なくはありません。
つまり、商品・サービスを提供する側は、消費者に対して高速でPDCAを回して、試行錯誤を繰り返すことが求められます。
決済における判断軸
BtoBの場合は、自分のお金ではなく企業全体のお金のため、費用対効果がケ江際における判断軸として重要視されます。
それに対して、BtoCの場合は、本人に依存するため、気分や興味・関心が決済までの判断軸となります。
BtoC向けマーケティングツール6選
注目を集めているBtoC向けのマーケティングオートメーショツールを6つご紹介します。
機能、価格帯は様々なので、自社の課題・体制と照らし合わせて、ご覧になって頂ければと思います。
Salesforce

https://www.salesforce.com/jp/
Salesforceは、セールスオートメーション、マーケティングオートメーション、カスタマーサポートサービスの本格的なクラウド型 CRM(顧客管理)アプリケーションです。
特徴は大きく3つあります。
・正確な顧客管理
顧客管理において、業界・業種・関連する先方担当者、どの商品・サービスの発注をどういった経緯で受けたか、発注価格など、様々な情報を登録・カスタマイズすることが可能です。
・見込み顧客の可視化
営業マンであれば、見込み顧客がどの状態から、どういった状態に変化しているか、個人で管理している方が多いのではないでしょうか。Salesforceを使用することで、データベースで管理ができ、レポートにすることもできるため、ホットリードがどのくらいあるのか、個人ベース、チーム単位、部署単位で把握することが可能です。
・業務効率化
Salesforceは、顧客管理でご紹介した、案件の発注などの情報を管理部門など、部署間連携が自動的に行えるので、契約周りを対応する管理部門などの方々の業務効率化などに繋げることが可能です。
カスタマーリングス

https://www.pa-consul.co.jp/cr/
カスタマーリングスの特徴は、一気通貫して、データの統合、セグメント、分析、メール配信などのアクションが可能です。
具体的には、顧客の売上データなどのデータを統合し、成約などに繋がりやすい傾向を分析し、ホットリード、潜在顧客などにセグメントし、メール配信まで自動的に行うことが可能です。
また、キャンペーン・アンケートフォームの作成機能も備えているため、キャンペーン経由で取得できた顧客などの情報を自動で登録してくれます。
GeAIne(ジーン)

GeAIneの特徴は大きく2つあります。
・過去の受注傾向から顧客を自動選択GeAIneに過去の受注傾向データを読み込ませることで、登録した顧客リストからAIが自動的に、受注傾向に近しい顧客リストを抽出してくれます。
・営業文章の最適化(ABテスト)顧客に送るメール文章を複数登録することで、メール送信先が同様でも、どの営業文章が反応率が良いか、自動的に最適化することが可能です。
Ambassador Relations Tool(ART:アート)

Ambassador Relations Tool(ART:アート)の特徴は大きく4つあります。
・NPS(Net Promoter Score(ネット・プロモーター・スコア)」の略で、顧客ロイヤルティを数値化する指標)を利用したアンバサダーマーケティング
・会員登録フォーム、問い合わせフォームの作成による顧客の獲得
・シナリオ設計による、特定の行動パターンの顧客に対するステップメール、ポップアップのアラート。
NPSの計測はアンケートフォームを利用することで可能です。また、顧客分析のレポートを自動的に算出してくれます。
Cloud CMO(クラウドシーエムオー)

https://innova-jp.com/cloud-cmo/
Cloud CMO(クラウドシーエムオー)の特徴は大きく3つあります。
・サイト構築(CMS)が可能(レスポンシブ対応)
ホームページやオウンドメディアの作成が可能です。
・顧客獲得から管理、メール配信まで、ホワイトペーパーや資料ダウンロードから顧客情報の獲得、管理が可能。
また、顧客をセグメントすることで、顧客に合わせたメール配信が可能です。
・SEO機能
Googleのキーワードサジェストと連携し、検索ニーズのあるキーワードの把握が可能です。
また、コンテンツに対する、狙ったキーワードの順位傾向、顧客の反応率なども分析することが可能です。
Oracle Marketing Cloud(オラクルマーケティングクラウド)

https://www.oracle.com/jp/marketingcloud/home.html
toC向けは、Responsysを利用します。toB向けは、Eloquaになります。Responsysの特徴は、メール配信の詳細なセグメント・スコアリングが可能です。
しかし、デメリットとしては、BI分析機能がないため、分析とマーケティングを連携して行う場合は、他のツールを追加で導入する必要があるといえます。
BtoC向けマーケティングオートメーションツールにおける重要機能と活用方法
BtoC向けマーケティングオートメーションツールとは、ターゲットユーザーが複数存在します。興味関心によって、ユーザーのアクションが異なるので、マーケティングオートメーションツールが備えている機能はしっかり把握しておくことが重要です。
いくつかピックアップして重要視すべき機能をあげていきます。
・メールマーケティング機能
BtoC向けのマーケティングはメールマーケティングが基本となり重要です。シナリオ設計、開封率計測、配信日時指定機能などは、マストで抑えておくべきです。
・分析データの可視化
あらゆるユーザーに対して、シナリオ設計を行いメールマーケティングを行うので、どのシナリオ設計が反応率が良い、などの分析データを可視化できるシステムはマストで抑えておくべきです。
・Webコンテンツ作成機能
Webコンテンツとは、お問い合わせフォームやアンケートフォームなどを指します。これらを、今までは専門担当に任せていたところを、簡単に作成できる機能は非常に重要です。
Webコンテンツ経由で獲得できた顧客情報なども自動的に登録されるため、マストで抑えておくべきです。
まとめ
これまで、BtoCマーケティングオートメーションツールをご紹介致しました。BtoBとは、重要視する機能や、使用目的が異なるので、あらためて、マーケティングオートメーションツールの選択には注意しましょう。また、マーケティングオートメーションツールは自動的に売上を伸ばしてくれるものではなく、売り上げを伸ばす機能を使いこなしてこそ、売上増加が実現していくため、根気強くPDCAサイクルをまわしていきましょう。

某IT企業に勤める一介のマーケッター。デジタル領域のマーケティングを中心に15年で300社以上のデジタルマーケティング支援に従事。2児の父。趣味はサウナとギター。