コンテンツマーケティングとは?正しく理解するための基本!その①基本と戦略設計

「コンテンツマーケティングとは?」という質問にあなたは正しく答えられますでしょうか?

ロングテールワードのSEO上位表示施策だという人もいれば、ソーシャルメディアでコンテンツをバズらせることだという人もいます。

今回は、改めて『コンテンツマーケティングとは?正しく理解するための基本』を紹介していきます。

コンテンツマーケティングとは?

コンテンツマーケティングを理解する前に、そもそも“コンテンツ”とは何を指すのでしょうか?

コンテンツマーケティングにおいては、記事やコラムをイメージする方も多いと思いますが、本来コンテンツとは、「伝えるべき情報」を意味します。

コンテンツマーケティングの定義に関しては、アメリカのコンテンツマーケティングインスティチュートによる定義を紹介します。

コンテンツマーケティングとは、適切で価値ある一貫したコンテンツを作り、それを伝達することにフォーカスした、戦略的なマーケティングの考え方である。見込み客として明確に定義されたユーザーを引き寄せ、関係性を維持し、最終的には利益に結びつく行動を促すことを目的とする。(トライハッチ翻訳)

(参照:http://contentmarketinginstitute.com/what-is-content-marketing/

この定義の中では、特定のメディアやフォーマットについては記載がなく、つまりコンテンツマーケティングとは、記事型コンテンツに縛られた手法ではなく、「伝えるべき情報」であれば、動画コンテンツやWeb漫画コンテンツ、メールなどもコンテンツマーケティングと言えることが分かります。

コンテンツマーケティングを簡単に説明すると、「ユーザーに有益なコンテンツを届け、見込み顧客を獲得し、集客に繋げるマーケティング手法」と理解するといいと思います。

なぜ、コンテンツマーケティングが必要なのか?

日本でコンテンツマーケティングが注目され始めたのは2014年頃からです。日本でコンテンツマーケティングが注目されるようになった要因は、大きく分けて2つあるでしょう。

  1. 企業側の一方的な売り込み型広告や割り込み広告の衰退
  2. SEOアルゴリズムの変化

それぞれの背景を説明していきます。

企業側の一方的な売り込み型広告や割り込み広告の衰退

今までの広告手法は、企業側が伝えたい情報をユーザーに一方的に発信するマーケティング手法でした。このような手法は、情報が少ない時代であれば有効的でしたが、現在はスマートフォンが普及し、“いつどこにいても情報を得られる時代”になりました。

このような背景があり、“ながら”で情報に触れる機会が多くなりました。例えば、テレビを視聴しながらスマートフォンを操作するなど、断続的にコンテンツを消費するようになり、広告メッセージに反応する確率が以前に比べ低くなり、ユーザーによっては、広告が邪魔で迷惑な存在になっている場合もあります。

情報過多社会と言われる現代社会では、ユーザーは消費できる情報量の何倍もの情報に日々接していると言われています。このような背景があり、ユーザーは情報の取捨選択を行い、自分が求める情報を優先的に取得するように変わりました。

このようなことから、企業側が一方的に発信する広告は衰退し、ユーザーが求める情報に対して、適切なコンテンツを届けることのできるコンテンツマーケティングが、現在のデジタルマーケティングでは必要とされている1つの理由だと思います。

SEOアルゴリズムの変化

コンテンツマーケティングが日本で注目されるようになったのは、売り込み広告・割り込み広告の衰退もそうですが、SEOアルゴリズムの変化も大きな理由の1つでしょう。

日本では、SEO目的のコンテンツマーケティングをコンテンツSEOと呼ぶぐらいに、SEO対策目的でコンテンツマーケティングを実施している企業が多くあります。

2011年にGoogleが行なった低品質なコンテンツがあるサイトの上位表示をしにくくする「パンダアップデート」が施行され、その後、2012年にスパム行為(低品質な被リンク)を罰する「ペンギンアップデート」が施行され、SEO市場に大きな影響を与えたのも記憶に新しいと思います。

2011年以降、SEO会社と検索エンジンのイタチごっこが行われていましたが、2013年3月に「パンダアップデート」が手動更新から、自動更新へと変わり、いわゆる検索エンジンを欺くような行為やユーザーにとって価値のないサイト(コピーサイト)などは、大きくSEO順位を下げられるようになりました。

このようなアップデートが行われたことにより、Googleが推奨する「ユーザーに有益なサイトを届ける」ガイドラインに従ってSEO対策を行う「ホワイトハットSEO」が注目されるようになりました。このホワイトハットSEOが、サイト内部の設計やユーザーにとって価値のあるコンテンツを届けることに繋がり、コンテンツマーケティングが日本で認知されるようになった2つ目の理由だと思います。

コンテンツマーケティングとコンテンツSEOは違うのか?

コンテンツマーケティングとコンテンツSEOは、表面的には似ていますが、目的や役割が別物だと考えるべきです。

大きな違いは、ユーザーの”育成”をしていくのがコンテンツマーケティングで、SEO流入に特化し、段階に応じたキーワードでの流入を獲得するのがコンテンツSEOです。コンテンツSEOで流入獲得をして育成していくケースもあると思いますので、当社では、コンテンツSEOをコンテンツマーケティング内でのSEO流入に特化した手法と位置付けています。

コンテンツマーケティングの実施方法!

ここからは、コンテンツマーケティングの進め方を紹介していきます。

その①:ビジネスゴールの設定

コンテンツマーケティングを実施するにあったてのゴールをはじめに設定するようにしましょう。ビジネスゴールを設定するのには、SMARTという方法があります。

●SMARTとは?

Specific(具体的)…明確で具体的な内容である

Measurable(測定可能)…達成度合いが計測でき、数字で判断できる

Action-Oriented(行動重視)…目標達成のための活動を具体的な行動に落とし込んでいる

Realistic(現実的)…目標がチャレンジグ であり、現状から実現可能なものである

Time Specific(期限がある)…いつまでに目標達成するか、その期限を設定している

例えば、TRYHATCH BLOGがビジネスゴールをSMARTで設定すると下記のようになります。

●TRYHATCH BLOGのビジネスゴール

Specific(具体的)…Webマーケティングの情報を提供し、自社認知の拡大やWebマーケティングの情報を求めるユーザーとの関係構築を行う

Measurable(測定可能)…Googleでの各ロングテールワードのSEO上位表示

Action-Oriented(行動重視)…毎月4記事を作成・アップし続ける

Realistic(現実的)…隙間時間で上記は実現可能

Time Specific(期限がある)…ダウンロード資料を月に10件ダウンロードしてもらう。

このようなカタチで、コンテンツマーケティングを行う上でのビジネスゴールを設定するようにしましょう。

その②戦略立てを行いましょう

ビジネスゴールを設定した後には、その目標を達成するための具体的な戦略を立てることが必要です。

戦略立てで重要になるのは、3つです。

  1. Who(誰に伝えるのか)
  2. What(何を伝えるのか)
  3. How(どのように伝えるのか)

シンプルですが、コンテンツマーケティングでは、この3つが非常に重要であり、この戦略設計部分を疎かにしてしまった結果、コンテンツマーケティングが失敗に終わったケースも多くあります。Who、What、Howを明確にするための手順を説明していきます。

戦略立て①ペルソナ設計

ペルソナとは、「ターゲットとなるユーザーを代表する1人の人物を明確にしたモノ」です。ペルソナを設計することにより、ユーザーをイメージしやすく、見込み客が抱えている困りごとや求めている情報を発見しやすくなります。また、ペルソナ設計を行うことにより、“誰に(Who)”の部分が明確になるので、チームや複数社でコンテンツマーケティングを運用する場合、全体でイメージを共有することができます。

ペルソナ設計を行うにあたっては、様々な方法がありますが、下記の方法で進めるといいでしょう。

  1. 既存のお客様から理想的なお客様を抽出する
  2. お客様に実際にインタビューする
  3. お客様に触れ合っている営業マンにヒアリングする

難しい項目もあるかもしれませんが、ペルソナ設計を行うにあたっては、実際のお客様やお客様に近しい人にヒアリングするのが1番です。このような方法で情報を収集し、ターゲットの基本的なプロフィールを設計するといいでしょう。あまり詳細に設定すぎてしまうと、使えないペルソナになってしまいますので、下記の項目ぐらいに収めるようにしましょう。

戦略立て②カスタマージャーニーマップの作成

カスタマージャーニーマップとは、「見込み客が必要としている情報が、認知から購買に至るまで、適切なコンテンツ、適切な媒体で伝達できているか、あるいはどう改善できるのか」を確認するために利用します。

カスタマージャーニーマップを作成することにより、ユーザーのニーズに合わせた最適なコンテンツ制作を行うことができます。

同じ1人のペルソナ(ユーザー)であってもニーズ段階によって求める情報は違います。認知・情報収集・比較検討・購入、それぞれの段階で適切なコンテンツが何かを明確にすることにより、適切なコンテンツをユーザーに届け、ユーザーを育成するストーリーを描くようにしましょう。

戦略立て③コンテンツマップの作成

ペルソナ、カスタマージャーニーマップを作成した後には、コンテンツマップを作成しましょう。

ユーザーのニーズ段階に合わせ、どのチャネルでどのようなコンテンツを配信するのがベストかを考えるようにしましょう。コンテンツマップは、カスタマージャーニーマップに追加すると良いでしょう。

ここまでを行えば、Who、What、Howの誰に何をどのように伝えるのかが明確になります。ここまでの戦略設計を立てた上で、次のステップに行くようにしましょう。

戦略立て④KPIの設定

コンテンツマップまでの追加を行った後には、認知・情報収集・比較検討・購入のそれぞれの段階でのKPIを設定するようにしましょう。

各項目でKPIを設計することにより、効果測定の精度を高めることができます。コンテンツマーケティングの効果が出ない際に、どの部分が悪いのかを直ぐに発見でき、ペルソナ・カスタマージャーニー・コンテンツマップの下方修正を迅速に行うことができます。

戦略立てした各項目は、作って終わりではなく、コンテンツマーケティングを運用しながら、アップデートしていく必要がありますので、KPIを各項目でしっかりと設定するようにしましょう。

最後に

今回は、そもそものコンテンツマーケティングとは?といった基本的な部分から、実際にコンテンツマーケティングを行うにあたっての基本的な戦略設計部分を紹介しました。

コンテンツマーケティングでは、ライティング部分などのコンテンツ制作に目が行きがちですが、手前の戦略設計部分が最も重要な部分です。

どれだけ優秀なライターやクリエイターにコンテンツ制作を頼んだとしても、見当違いな戦略では、コンテンツマーケティングの効果を最大限にすることはできないでしょう。

次回は、コンテンツマーケティングの戦略立てを行った後の実際にコンテンツ制作を行うにあたっての基本を紹介して行きますので、来週まで楽しみにお待ちください。

TRYHATCH BLOG運営元である株式会社トライハッチでは、コンテンツマーケティング事業を中心に、企業様のWeb集客をご支援させて頂いています。ご興味ある方は、下記のバナーから当社オフィシャルサイトをご覧の上、お問い合わせ頂けますと幸いです。

某IT企業に勤める一介のマーケッター。デジタル領域のマーケティングを中心に15年で300社以上のデジタルマーケティング支援に従事。2児の父。趣味はサウナとギター。