オウンドメディア戦略で絶対にやってはいけない4つのこと

インターネットの普及により、ユーザーは自ら欲しい情報を探し、取捨選択するように変わりました。

そのため企業のマーケティング手法も変化し、近年はインバウンドマーケティングに取り組む企業も多くなってきています。その中で、インバウンドマーケティングの1つとしてオウンドメディアを採用する企業も多くなってきました。

しかし、多くのオウンドメディアが様々な理由で失敗します。今回は、オウンドメディアの失敗確率を軽減するため、絶対にやってはいけない4つのことを解説します。

オウンドメディアの多くは何故失敗するのか?

インターネット上には、オウンドメディアの成功事例が多く掲載されています。そのような事例を見て、自社もオウンドメディア戦略を行おうと考える方も多いのではないでしょうか。

しかし、成功するオウンドメディアがある反面、失敗してしまうオウンドメディアも多くあります。その失敗の多くは、下記4点が失敗要因となっていることが多くあります。

  1. オウンドメディア構築に費用をかけ過ぎる
  2. 記事数や文字数の決まった記事制作
  3. 競合・キーワード分析を疎かにする
  4. 運用体制を整えない見切り発車

ここからは1つずつ解説していきます。

(1)最初からオウンドメディア構築に費用をかけ過ぎる

(1)最初からオウンドメディア構築に費用をかけ過ぎる

月に平均10件ほどのオウンドメディア構築・運用のご相談を受けますが、多くの企業様が最初からオウンドメディアの構築に費用を多くかけようとする傾向があります。

確かにカッコいいデザインや先のことを考え、多くの機能を持たせることを考えるのは良いことだと思います。しかし、「オウンドメディア流入の8割以上が検索流入?国内のオウンドメディアをSimilarWebで調べてみた!」でも紹介していますが、オウンドメディア流入の多くは、ロングテールワードのオーガニック検索からの流入です。

カッコいいデザインや充実した機能はSEO評価に関係がありません。

流入の多くをオーガニック検索が占めることを考えると、オウンドメディアの流入を獲得できるようになるのには、一定の時間がかかることが想定されます。

初期構築に費用をかければかけるほど、オウンドメディアの費用対効果における分岐点が先に伸びます。

このような理由から、オウンドメディア構築時には最低限のデザインと機能を持たせ、検索エンジンやユーザーに評価される記事を制作することに時間や費用を使った方が良いことが分かります。

(2)記事数や文字数の決まったパッケージ運用

記事制作を行う際、外部の記事制作会社やライターに記事制作を依頼するケースもあると思います。その際、「1記事●●文字×●記事=●●円」といったパッケージ型の依頼をする場合があります。

例)1記事1,500文字×10記事=75,000円

パッケージ型の記事制作は、検索エンジンやユーザーが求めるコンテンツとのミスマッチを生みやすいです。

例えば、「TrueView ターゲティング」のSEO上位10サイトのテキスト量平均は3,346文字です。仮に1,500文字のパッケージ型で記事制作を行った場合、約1,800文字が上位サイトに比べ少ないことになります。

勿論、テキスト量が全てではありませんが、上位サイトのテキスト量(情報量)を満たすコンテンツページが検索エンジンに評価されることに繋がります。

このように文字数や記事数が決まった運用は、ユーザーが求める情報・検索エンジンが評価する情報量とのミスマッチを生み、アクセスの集まらないコンテンツを無駄に生成することに繋がってしまいます。

(3)競合分析やキーワード分析を疎かにする

(3)競合分析やキーワード分析を疎かにする

競合分析・キーワード分析を疎かにしたオウンドメディア・コンテンツマーケティング運用は、ただ記事をメディアにアップするだけであり、意味のない施策になってしまいます。

●競合がどのような記事を配信しているのか?
●どのぐらいのペースで、どのぐらいのボリュームを配信しているか?
●どのぐらいのアクセスを稼いでいるのか?
●どのようなジャンルにこだわって記事を制作しているのか?
●SNSや広告などは利用しているのか?
●誰に向けて記事を配信しているのか?
●どのようなキーワードで上位表示されているのか?

このような競合・キーワードの状況を把握した上で、初めてオウンドメディアの戦略を描くことが出来ます。

競合状況やキーワード状況を把握していなければ、戦略を描くことが出来ません。オウンドメディアの戦略を立てるためにもこのような分析を行うことは非常に重要です。

(4)運用体制を整えない見切り発車

オウンドメディアの運用を行うのには、様々なスキルを持ったチームの構築が必要になります。全体を管理するプロジェクトリーダーから、メディアを構築するディレクター、コーダー、デザイナー、記事の編集長や校正担当、ライター、分析担当、広告運用担当と多くの人材・スキルが必要になります。

マルチに一人で複数の業務をこなすことが出来る場合もありますが、全てを一人で行うことはメディアが大きくなればなるほどに困難になります。

社内でリソースがないのであれば、費用をかけて外部のリソースを利用することも視野に入れなくてはなりません。他の業務の片手間や空いた時間で運用出来るほど、オウンドメディアの運用は生半可なモノではありません。

最低限のリソース・時間で運用を始める際も、どこかのタイミングでどのぐらいのリソースが必要になるのか、事前に計画に練り込んでおく必要があります。

「記事制作が間に合わない」「記事チェックが間に合わない」といったオウンドメディアの失敗要因は多くあります。体制を整えるもしくは事前に想定をしておくことをおすすめ致します。

まとめ

失敗しないための運用方法を理解することにより、よくありがちなオウンドメディアの失敗を避けることが出来ます。オウンドメディアは効果を得るまでに時間がかかるモノです。

少しでも成果獲得のスピードをはやめたり、失敗の可能性を潰す必要があります。ここに記載したことは、月間10件以上のオウンドメディア立ち上げやコンサルティングの相談を受ける私の経験談です。

是非、参考にしてみて下さい。

某IT企業に勤める一介のマーケッター。デジタル領域のマーケティングを中心に15年で300社以上のデジタルマーケティング支援に従事。2児の父。趣味はサウナとギター。