就職氷河期は過ぎ去り、今や複数社から内定をもらう学生が増加している売り手市場へと採用市場は変わってきました。

自社に合う人材や優秀な人材を獲得するために、様々な仕掛けやアプローチを行いますが、採用サイトもその1つです。

しかし、自社に合う人材や優秀な人材を獲得するためには、その企業独自のコンテンツを発信する必要があり、いざ採用サイトを作っても結局はリクナビやマイナビなどの求人ポータルサイトに頼り切ってしまっている場合も散見されます。

採用サイトは、自社に合う人材や優秀な人材を獲得するため、ただ募集要項を記載しておけば言い訳ではありません。今回は、採用活動で企業側は良い人材を獲得するための採用サイト制作のコツを紹介していきます。

なぜ、採用サイトが必要なのか?

ただ、どんな人でもいいので人手が欲しい場合には、採用サイトは必要ありません。

しかし、企業が人材採用を行う理由として、「自社に合った人材」や「成果を出してくれる人材」、「長く働いてくれる優秀な人材」の獲得が理由です。

採用は、企業と求職者のマッチングです。

求人ポータルサイトでは、競合との比較もされてしまいますし、配信できるコンテンツ内容にも限界がありますので、企業側のメッセージを最大限に伝えることは難しいですし、求職者にも伝わりきらない部分も多くあります。

求人ポータルサイトで興味を持ってくれた求職者は、よりその会社を詳しく知りたいと思うでしょう。それが、企業のコーポレートサイトですと、事業内容の理解や会社の沿革を理解することはできますが、求職者が本当に知りたい部分は知ることができません。

ポート株式会社が運営する就活ポータルサイトのキャリアパークでは、就活を行う際の企業を選ぶ判断軸を紹介しています。

●就活生が企業を選ぶ際の判断軸

  1. 自分のやりたいと思える仕事内容か
  2. 人の力になれ、社会にも貢献できるか
  3. 事業内容・経営方針・安定性
  4. 社風・給与
  5. 勤務地・給料・自己成長

参考)【企業選びの軸とは】就活を円滑におこなうための方法と参考例~採用面接から判断するポイントも紹介~キャリアパーク就活

このように自分に合う会社なのか、社風は合うか、どんな人が働いているのか、成長できる環境なのかと求職者は不安を抱えています。

このような不安を解消し、自社を深く知ってもらうためにも採用サイトは必要となります。

採用サイト制作では、欲しい人材像を明確化しましょう!

「ガツガツ働いてお金を稼ぎたい」

「ワークライフバランスを重視した働き方をしたい」

「社会性の高い仕事をしたい」

求職者は、様々な想いを持っています。自社に合う人材がどのような人材なのか、自社の社風や文化は、どういう社風や文化なのかを分析し、自社に合う欲しい人材の人物像を明確化するといいでしょう。

人物像が明確化されれば、採用サイトのコンセプトも決めやすくなります。

「ガツガツ働いて稼ぎたい」という人材を獲得したいのであれば、「給与面」を全面にアピールしたり、「ワークライフバランス重視」の人材が欲しいのであれば、「ワークライフバランスが取れている」アピールをする採用サイトを制作すればいいのです。

キャッチコピーを決めましょう!

キャッチコピー(求職者へのメッセージ)を決めましょう。

欲しい人材に合わせて、訴求するキャッチコピーを考えると良いキャッチコピーが出てきます。

●NTTデータ 2016年の採用キャッチコピー

「超える相手は、世界にいる」

https://nttdata.saiyo.jp/newgraduates/

●丸紅株式会社 2016年の採用キャッチコピー

「己の強さで世界に挑め」

http://www.marubeni-recruit.com/

●DeNA 2016年の採用キャッチコピー

「世界に喜びと驚きを」

http://dena.com/jp/recruit/students/

●大成建設 2016年の採用キャッチコピー

「地図に残る仕事を」

http://www.taisei.co.jp/saiyo/2016/index.html

●ドリコム 2016年の採用キャッチコピー

「3歩先をつくろう」

http://recruit.drecom.co.jp/

キャッチコピーで、企業がどういう志を掲げているのか、学生に何を伝えたいのかが分かります。

求職者の胸を打つキャッチコピーやこの会社面白そうだなと思わせられるキャッチコピーを採用サイトでも発信するようにしましょう。

採用サイトの設計・デザインはシンプルにしましょう!

採用サイトの設計・デザインは極力シンプルにするようにしましょう。

採用サイトの設計・デザインをシンプルにする理由としては、求職者に効果的なのは「分かりやすさ」「情報量」と言われているからです。

デザインのごちゃごちゃしたサイトでは、求職者にメッセージを伝えることができません。

お手本にしたい採用サイトのデザイン

●損保ジャパン日本興亜-採用サイト

シンプルで堅いイメージがありますが、バナーをうまく活用することにより、堅すぎない印象をユーザーに与えるようにしています。また、おすすめの採用コンテンツをランキング化しており、事業内容では知ることのできない明るさややりがいを見ることができます。

http://www.sompojapan-nipponkoa-saiyo.com/

●リクルート

リクルートの採用サイトデザインです。スタイリッシュなデザインで親しみさを出しつつ、社員を前面に出し、会社の雰囲気やどういう想いで働いているかを伝えています。

https://www.recruit-jinji.jp/recruitment/

●アルテリア・ネットワークス株式会社

未来やテクノロジーを連想させるイメージとなっています。メッセージ性を意識したサイト作りとなっています。スマホページは、トップページとなっていました。

https://www.arteria-net.com/recruit/newgrads/

まとめ

自社に合った人材や優秀な人材を獲得するために、採用サイトは重要な役割を果たします。

求人ポータルだけでは、伝えられない内容を求職者に伝えることができます。メッセージ性の強いキャッチコピーや伝わりやすいデザインを意識し、自社に合った人材や優秀な人材を獲得するためのサイト作りを行うように心掛けましょう。

某IT企業に勤める一介のマーケッター。デジタル領域のマーケティングを中心に15年で300社以上のデジタルマーケティング支援に従事。2児の父。趣味はサウナとギター。